問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
原発性硬化性胆管炎に合併することが多いのはどれか。
a. 虚血性腸炎
b. 偽膜性腸炎
c. 大腸憩室炎
d. 潰瘍性大腸炎
e. 過敏性腸症候群
原発性硬化性胆管炎に合併することが多いのは **d. 潰瘍性大腸炎** である。
原発性硬化性胆管炎(PSC)は、胆管の慢性炎症と線維化を伴う疾患であり、しばしば炎症性腸疾患と関連している。その中でも特に**潰瘍性大腸炎(UC)**との合併が多く見られる。PSC患者の多くがUCを併発しており、逆にUC患者の一部もPSCを発症することが知られている。
他の選択肢については以下の通りである:
- **a. 虚血性腸炎** は血流障害によって腸が損傷する疾患であり、PSCとの直接の関連はない。
- **b. 偽膜性腸炎** は抗生物質の使用により引き起こされるクロストリジウム・ディフィシル感染によるもので、PSCとは関連がない。
- **c. 大腸憩室炎** は大腸の憩室が炎症を起こす疾患であり、PSCとの関連はほとんどない。
- **e. 過敏性腸症候群** は機能性の腸疾患であり、PSCとの関連は見られない。
したがって、正解は **d. 潰瘍性大腸炎** である。