21 歳の女性。顔面の皮疹を主訴に来院した。 8 年前から顔面の皮疹が出現し軽快と増悪を繰り返している。月経前に悪化することがある。 2 か月前から精神的ストレスと食生活の偏りがあり皮疹が悪化してきた。副腎皮質ステロイド外用薬は使用していない。瘙痒はないが、軽度の痛みがある。顔面の写真を別に示す。
診断はどれか。
a. 結節性痒疹
b. 尋常性痤瘡
c. 尋常性狼瘡
d. 酒䉠様皮膚炎
e. 脂漏性皮膚炎
a. 結節性痒疹
b. 尋常性痤瘡
c. 尋常性狼瘡
d. 酒䉠様皮膚炎
e. 脂漏性皮膚炎
この症例に基づく診断は **b. 尋常性痤瘡**(いわゆるニキビ)である。
以下のポイントから診断が導かれる:
- **8年にわたる反復する皮疹の出現**、軽快と増悪を繰り返す経過、特に**月経前に悪化**することがあるという点は、ホルモンの影響が関与する尋常性痤瘡に典型的である。
- **精神的ストレス**や**食生活の乱れ**が悪化の誘因となっている点も、痤瘡の特徴と一致する。
- 痤瘡では、**瘙痒はあまりない**が、軽度の痛みを伴うことがある。
他の選択肢について:
- **a. 結節性痒疹**:瘙痒が主な症状であり、皮疹が硬く、瘙痒を伴う皮疹であるが、この症例には合致しない。
- **c. 尋常性狼瘡**:結核に関連する皮膚病変であり、顔面の皮疹としてはあまり一般的ではなく、慢性経過や瘢痕形成が見られる。
- **d. 酒さ様皮膚炎**:顔面紅斑が主体で、皮膚の腫れや膿疱も伴うことがあるが、月経との関係や若年者での経過はあまり見られない。
- **e. 脂漏性皮膚炎**:顔面に鱗屑や紅斑を伴う脂漏性の湿疹が特徴だが、この症例では痤瘡のような経過が明確である。
したがって、最も適切な診断は **b. 尋常性痤瘡** である。