問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
a. 結節性痒疹
b. 尋常性痤瘡
c. 尋常性狼瘡
d. 酒䉠様皮膚炎
e. 脂漏性皮膚炎
この症例に基づく診断は **b. 尋常性痤瘡**(いわゆるニキビ)である。
以下のポイントから診断が導かれる:
- **8年にわたる反復する皮疹の出現**、軽快と増悪を繰り返す経過、特に**月経前に悪化**することがあるという点は、ホルモンの影響が関与する尋常性痤瘡に典型的である。
- **精神的ストレス**や**食生活の乱れ**が悪化の誘因となっている点も、痤瘡の特徴と一致する。
- 痤瘡では、**瘙痒はあまりない**が、軽度の痛みを伴うことがある。
他の選択肢について:
- **a. 結節性痒疹**:瘙痒が主な症状であり、皮疹が硬く、瘙痒を伴う皮疹であるが、この症例には合致しない。
- **c. 尋常性狼瘡**:結核に関連する皮膚病変であり、顔面の皮疹としてはあまり一般的ではなく、慢性経過や瘢痕形成が見られる。
- **d. 酒さ様皮膚炎**:顔面紅斑が主体で、皮膚の腫れや膿疱も伴うことがあるが、月経との関係や若年者での経過はあまり見られない。
- **e. 脂漏性皮膚炎**:顔面に鱗屑や紅斑を伴う脂漏性の湿疹が特徴だが、この症例では痤瘡のような経過が明確である。
したがって、最も適切な診断は **b. 尋常性痤瘡** である。