問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
a. ①
b. ②
c. ③
d. ④
e. ⑤
この患者で肝細胞癌切除手術を適応外と判断する根拠は **e. ⑤ 両側肺への転移** である。
肝細胞癌の手術適応は、癌の局所性および全身性の進行度によって決定される。肝臓内に限局した癌であれば切除が可能だが、**遠隔転移(この場合は両側肺への転移)**がある場合、手術による治療は根治的にはならないため、適応外となる。
他の選択肢についての解説:
- **a. ①HCV抗体陽性**:これは慢性肝炎や肝硬変の原因となるが、HCV感染そのものは手術の絶対的禁忌ではない。
- **b. ②ICG試験(15分値)8%**:ICG値は肝機能を評価するもので、8%は肝機能が比較的保たれていることを示すため、手術に耐えうる状態と考えられる。
- **c. ③肝内転移**:肝内転移があっても肝臓内に限局している場合は、肝部分切除が検討されることがある。
- **d. ④肝細胞癌の径5cm**:5cmの大きさは手術で切除可能な範囲であり、このサイズ自体は手術の適応外とはならない。
したがって、**e. ⑤両側肺への転移** が手術適応外となる最も重要な根拠である。