65 歳の男性。健康診査の腹部超音波検査で異常を指摘され来院した。 2 年前の健康診査で肝機能異常を指摘されていたが、自覚症状はないため検査は受けていない。既往歴に特記すべきことはない。自営業。喫煙歴は 20 本/日を 20 年間。飲酒はビール 350 mL/週を 45 年間。母親が肝癌で死亡。身長 170 cm、体重 70 kg。脈拍 96/分、整。血圧 144/90 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は右季肋下に肝を 2 cm 触知する。血液生化学所見:総ビリルビン 0.8 mg/dL、AST 90 U/L、ALT 85 U/L、γ-GT 60 U/L(基準 13~64)、空腹時血糖 98 mg/dL、HbA1c 5.6 %(基準 4.9~6.0)、トリグリセリド 160 mg/dL、HDL コレステロール 36 mg/dL、α-フェトプロテイン〈AFP〉160,000 ng/mL(基準 20 以下)。免疫血清学所見:HBs 抗原陰性、①HCV 抗体陽性②ICG 試験(15 分値)8 %(基準 10 以下)。胸腹部造影 CT で肝右葉前区域に③肝内転移 1 個を伴う④径 5 cm の肝細胞癌を認め、⑤両側肺への転移を認めた。

この患者で肝細胞癌切除手術を適応外と判断する根拠はどれか。

a. ①

b. ②

c. ③

d. ④

e. ⑤

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)