問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
a. ジゴキシン投与
b. ジソピラミド投与
c. ループ利尿薬投与
d. 恒久的ペースメーカ植込み術
e. 植込み型除細動器〈ICD〉植込み術
この患者の突然死を予防するための治療法として、最も適切なのは **e. 植込み型除細動器(ICD)植込み術** である。
患者は以下の理由で、突然死のリスクが高いと考えられる:
- **肥大型心筋症(HCM)**の特徴的所見が見られる。具体的には、心室中隔の肥厚(22.5mm)と心筋中層の遅延造影が確認されており、HCMは致死性の不整脈や突然死を引き起こしやすい。
- **家族歴**に突然死のエピソードがあり、母方の従兄弟が25歳で突然死している。
- **非持続性心室頻拍**がHolter心電図で確認され、これもHCM患者において突然死リスクを高める因子である。
**ICD**は、不整脈を検知した際に自動的に電気ショックを与えることで心停止や心室細動を防ぐデバイスであり、HCMに伴う突然死予防において推奨される治療法である。
このため、最も適切な治療法は **e. 植込み型除細動器(ICD)植込み術** である。