36 歳の男性。動悸を主訴に来院した。10 年前から労作時の動悸と気が遠くなる感じの発作を自覚していた。中学生の時から健診で心電図異常を指摘されているが経過観察となっていた。最近、母方の従兄弟が 25 歳で突然死したため心配になり受診した。母方の叔母は心疾患で通院中(詳細不明)。意識は清明。身長 168 cm、体重 70 kg。体温 36.5 ℃。脈拍 72/分、整。血圧 124/72 mmHg。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。四肢に浮腫を認めない。血液検査では、BNP 178 pg/mL(基準 18.4 以下)以外異常を認めない。12 誘導心電図を別に示す。胸部エックス線写真で心胸郭比 45 %、肺うっ血と胸水貯留を認めない。心エコー図を別に示す。左室心室中隔壁厚 22.5 mm、後壁厚 8.6 mm、拡張期径 38.0 mm、左室駆出率 79.6 % であり、有意な弁膜症や左室流出路の圧較差を認めなかった。Holter 心電図で非持続性心室頻拍を数回認め、ふらつきを自覚していた。心臓カテーテル検査で冠動脈に狭窄病変を認めない。心臓造影 MRI で中隔の心筋中層に遅延造影を認めた。

突然死を予防する治療法はどれか。

a. ジゴキシン投与

b. ジソピラミド投与

c. ループ利尿薬投与

d. 恒久的ペースメーカ植込み術

e. 植込み型除細動器〈ICD〉植込み術

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)