問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
a. 抗菌薬投与
b. 自宅安静指示
c. ヘパリン投与
d. ジアゼパム投与
e. アシクロビル投与
この患者にまず行うべきなのは**e. アシクロビル投与**である。
解説:
患者は、発熱、頭痛、異常行動、場所と時間の見当識障害、および項部硬直などの髄膜刺激症状を呈している。また、脳脊髄液所見では、細胞数が増加しており、特に単核球が優位で、蛋白濃度も高値を示している。これらの所見はウイルス性髄膜炎や脳炎、特にヘルペス脳炎を強く示唆している。ヘルペス脳炎は、迅速な診断と治療が必要な疾患であり、放置すると致命的な転帰をとることがあるため、まずアシクロビル(抗ウイルス薬)を投与して治療を開始することが重要である。
他の選択肢について:
- **a. 抗菌薬投与**は細菌性髄膜炎の場合に行われるが、この患者の症例はウイルス性脳炎の可能性が高く、まず抗ウイルス薬が優先される。
- **b. 自宅安静指示**は適切ではなく、入院して適切な治療を行うべきである。
- **c. ヘパリン投与**は血栓の予防や治療に使用されるが、この症例には適合しない。
- **d. ジアゼパム投与**は不安やけいれんに対して使用されるが、まずは脳炎に対する治療が優先される。