問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
a. 頸管縫縮術
b. 緊急帝王切開
c. オキシトシン投与
d. ベタメタゾン投与
e. 塩酸リトドリン投与
このケースにおいて適切な対応は**d. ベタメタゾン投与**である。
解説:
患者は妊娠32週で水様帯下があり、腟鏡診で羊水の流出が確認されているため、早産のリスクが高い。また、胎児心拍数陣痛図が示されているが、緊急の帝王切開を必要とするような胎児機能不全の所見は確認されていない。
32週の胎児はまだ肺の成熟が不十分なため、早産の場合に備えてベタメタゾン(ステロイド)を投与することで胎児の肺成熟を促進することが重要である。また、羊水が流出しているため、早産の予防や胎児の安全確保のために、ベタメタゾンの投与は優先される。
他の選択肢:
- **a. 頸管縫縮術**は、頸管無力症の際に行われるが、このケースでは既に子宮口が開大しており、適切ではない。
- **b. 緊急帝王切開**は胎児機能不全や母体の緊急状態がある場合に行うが、現時点では適応がない。
- **c. オキシトシン投与**は陣痛誘発に使用されるが、早産のリスクがあるため適切ではない。
- **e. 塩酸リトドリン投与**は子宮収縮を抑制するために使われるが、まずは胎児の肺成熟促進が優先される。