30 歳の女性。夜間の息苦しさを主訴に来院した。生来健康であったが、半年前から夜中に息苦しさのため目覚めるようになった。咳、痰も半年前から毎日ある。喫煙歴はない。 1 年前からネコを飼っている。心音と呼吸音とに異常を認めない。胸部エックス線写真で異常を認めない。β2 受容体刺激薬吸入前後の呼吸機能検査の結果を表に示す。
診断はどれか。
a. 過敏性肺炎
b. 気管支喘息
c. 慢性気管支炎
d. うっ血性心不全
e. 睡眠時無呼吸症候群
a. 過敏性肺炎
b. 気管支喘息
c. 慢性気管支炎
d. うっ血性心不全
e. 睡眠時無呼吸症候群
この患者の診断は**b. 気管支喘息**である。
解説:
患者は、夜間に息苦しさを感じ、咳や痰が半年間続いているという症状を呈している。これに加え、胸部エックス線写真で異常がないことから、気管支喘息の可能性が高い。気管支喘息では、特に夜間や早朝に症状が現れやすく、呼吸困難や咳、喘鳴などが特徴的である。また、β2受容体刺激薬吸入前後の呼吸機能検査で改善が見られることが診断の一助となる。
他の選択肢:
- **a. 過敏性肺炎**は、特定の抗原への長期的な曝露により発症するが、胸部エックス線やCTに異常が見られることが多い。
- **c. 慢性気管支炎**は長期間にわたる咳や痰を伴うが、通常、喫煙者に多く、患者は喫煙歴がない。
- **d. うっ血性心不全**は夜間の呼吸困難が特徴だが、心音や胸部エックス線に異常が現れることが多い。
- **e. 睡眠時無呼吸症候群**は、夜間の無呼吸や大きないびきが特徴であり、咳や痰は典型的な症状ではない。