A さん(37 歳、女性、会社員)は、1人暮らし。11 月に経理部へ異動となった。新しい人間関係と慣れない仕事で帰宅後も緊張が取れず、眠れない日が続いていた。異動から3週目の朝、会社のエレベーターに乗ると、息苦しさ、動悸からパニック発作を起こした。その後も不眠とパニック発作が出現したため、異動から2か月後、精神科クリニックを受診し、パニック障害と診断された。主治医からは、短時間型の睡眠薬と選択的セロトニン再取り込み阻害薬<SSRI>が処方された。また、職場の協力を得て仕事量の調整をしてもらうことになった。受診から5日後、A さんから「昨日の朝から気分が悪くなり、下痢をするようになった」と電話があった。

受診後のA さんの状況に対する看護師のアセスメントで適切なのはどれか。

1. ストレスの増大

2. うつ症状の悪化

3. 睡眠薬の持ち越し効果

4. SSRI の副作用<有害事象>

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受診から1か月後、A さんは 11 階の職場に向かう途中、エレベーターの中でパニック発作を再び起こした。その時は、息が止まってしまうように感じた。それ以来、エレベーターを見ると、また同じようになってしまうかもしれないと思うようになり、怖くて乗れなくなり、仕事にも支障が出るようになった。

A さんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1. 「エレベーターの中で息が止まる」という認知による感情・行動を修正する。

2. 同じ症状を持つ人々との話し合いを通じて症状の軽減を図る。

3. 抗うつ薬の効果についての正しい知識を教育する。

4. ロールプレイを通じて社会生活技能を訓練する。

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A さんのパニック発作は消失し、不眠も改善したため、睡眠薬の処方は終了となった。A さんは「もともと手足が冷えて寝つきが悪かったから、睡眠薬がなくなることが少し心配です。自分で工夫できることはあるでしょうか」と看護師に尋ねてきた。看護師が以前の睡眠状況を尋ねると、睡眠時間は 23 時から6時までの7時間であったこと、手足が冷えて眠れない時は熱いシャワーを浴びてから布団に入っていたことを話した。

A さんの睡眠へのセルフケアに対する看護師の指導で適切なのはどれか。

1. 「休日は昼まで寝るようにしましょう」

2. 「布団に入る時間を 21 時に早めましょう」

3. 「ぬるい温度のお風呂にゆっくり入るようにしましょう」

4. 「眠れるまで布団の中でじっとしているようにしましょう」

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