問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
1歳6か月の男児。発熱と活気不良のため母親に連れられて来院した。3日前から38.5℃の発熱と皮疹とを認め、昨日かかりつけ医を受診した。咽頭ぬぐい液のA群β溶連菌迅速検査は陰性で、解熱薬が処方され帰宅した。本日から活気不良となり紹介された。
体重15kg。体温39.2℃。脈拍140/分、整。血圧88/56mmHg。活気なし。左頸部に径1.5cmのリンパ節を1個触知する。呼吸音に異常を認めない。体幹や四肢に小紅斑が散在し、BCG接種部位の発赤を認める。
注意すべき診察部位はどれか。
a. 舌
b. 毛髪
c. 歯肉
d. 鼓膜
e. 眼瞼結膜
川崎病の症例である。
【主要症状】
1. 発熱
2. 両側眼球結膜の充血
3. 口唇,口腔所見 : 口唇の紅潮,いちご舌,口腔咽頭粘膜のびまん性発赤
4. 発疹(BCG 接種痕の発赤を含む)
5. 四肢末端の変化:(急性期)手足の硬性浮腫,手掌足底または指趾先端の紅斑(回復期)指先からの膜様落屑
6. 急性期における非化膿性頚部リンパ節腫脹
※6つの主要症状のうち、経過中に5症状以上を呈する場合は、川崎病と診断する。