26 歳の男性。左胸痛と息苦しさとを主訴に来院した。現病歴:昼ごろに咳込んだ際、左胸痛が出現した。しばらく様子をみていたが改善せず、呼吸困難も出現したため夜間救急外来を家族とともに受診した。
既往歴:16 歳時に右側、18 歳時に左側で同様の症状のため通院。
生活歴:会社員。独身。両親と同居。喫煙は 15 本/日を年間。飲酒は機会飲酒。
家族歴:特記すべきことはない。
現症:意識は清明。身長 172 cm、体重 52 kg。体温 36.9 ℃。脈拍 84/分、整。血圧 112/76 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 94 %(room air)。皮膚と口腔内は乾燥している。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音に異常を認めない。呼吸時に胸郭の動きに左右差を認める。呼吸音は左側で減弱しているが、副雑音は聴取しない。左胸部の打診は鼓音を呈している。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。
検査所見:血液所見:赤血球 480 万、Hb 15.5 g/dL、Ht 47 %、白血球 8,400 (桿状核好中球 30 %、分葉核好中球 45 %、好酸球 1 %、好塩基球 1 %、単球 6 %、リ ンパ球 17 %)、血小板 23 万。血液生化学所見:総蛋白 7.3 g/dL、アルブミン 4.7 g/dL、総ビリルビン 0.3 mg/dL、AST 20 U/L、ALT 18 U/L、LD 195 U/L(基準 176〜353)、ALP 189 U/L (基準 115〜359)、クレアチニン 0.6 mg/dL、Na 137 mEq/L、K 4.4 mEq/L、Cl 97 mEq/L。CRP 0.3 mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.41、PaCO2 39 Torr、PaO2 62 Torr、HCO3- 24 mEq/L。
立位で胸部エックス線撮影を行った。 想定される所見はどれか。
a. 左肺野多発腫瘤影
b. 左肺野浸潤影
c. 左肋骨骨折
d. 左肺虚脱
e. 胸水貯留
若年男性の気胸。
突然の発症、胸部聴診所見より、気胸を考える。
胸部エックス線写真を確認して初期対応を行い入院となった。この患者に手術を勧める根拠となるのはどれか。
a. SpO2
b. 既往歴
c. 喫煙歴
d. 性別
e. 年齢
反復性の気胸であるため手術を考える。
自然気胸の手術適応は下記
・反復性気胸
・両側性気胸
・血気胸
・空気漏れの持続
・膨張不全例
・社会的適応