問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
23 歳の女性。右眼の痛みと充血とを主訴に来院した。4年前から2週間使い捨てのソフトコンタクトレンズを常用しているが、最近は4週間使用しているという。3日前から右眼の異物感と充血とがあったが、そのままコンタクトレンズを装用していた。昨夜、コンタクトレンズを外した後、眼痛が出現した。右眼の細隙灯顕微鏡写真を別に示す。病変部の擦過物とコンタクトレンズ保存液の塗抹検鏡検査で Gram 陰性桿菌が検出された。
原因微生物として考えられるのはどれか。
a. 淋菌
b. 緑膿菌
c. クラミジア
d. サルモネラ菌
e. レジオネラ菌
コンタクトレンズ関連の感染性角膜炎の症例。細隙灯では角膜の混濁を認める。
グラム陰性桿菌は緑膿菌とサルモネラ菌であるが、サルモネラ菌は角膜炎の原因とならない。
角膜炎の起炎菌は、肺炎球菌、ブドウ球菌、緑膿菌。その他にモラクセラ、セラチア、レンサ球菌、淋菌、嫌気性菌、非定型抗酸菌などが挙げられる。
寒冷地ではブドウ球菌の頻度が増加。一方、温暖地では緑膿菌の頻度が増加する傾向にある。