問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
26 歳の女性。呼吸困難を主訴に来院した。1週間前に咽頭痛、鼻汁および微熱が出現した。その後解熱したが本日の午前2時ごろから呼吸困難が著明となったため午前4時に救急外来を受診した。小児期に気管支喘息と診断されたが中学生時に寛解している。呼吸困難はみられるが会話はかろうじて可能である。
SpO2 89 %(room air)。両側の胸部全体に wheezes を聴取する。酸素投与を開始し、末梢静脈路を確保した。
直ちに行うべき治療はどれか。2つ選べ。
a. 抗菌薬点滴静注
b. 副腎皮質ステロイド吸入
c. アミノフィリン点滴静注
d. 短時間作用性 β2 刺激薬吸入
e. ロイコトリエン受容体拮抗薬内服
気管支喘息発作に対する治療についての問題。
a: 抗菌薬は使用しない。細菌感染を示唆する所見は認めない。
b: 吸入ステロイドは発作時には使用しない。喘息の長期管理として使用。ステロイドの静脈注射であれば正解。ステロイドの静脈注射はβ2刺激薬吸入としても効果不十分の場合に使用。
c: 正解。
d: 正解
e: 発作時には使用しない。喘息の長期管理として使用。