22歳の女性。腹痛、嘔吐および発熱を主訴に来院した。

現病歴:午前6時ごろから心窩部痛を自覚した。痛み徐々に右下腹部に移動し、悪心、嘔吐および発熱が出現したため午前9時に救急外来を受診した。

既往歴:特記すべきことはない。

生活歴:喫煙歴と飲酒歴はない。

現症:意識は清明。身長 153 cm、体重 48 kg。体温 37.6 ℃。脈拍 100/分、整。血圧 118/62 mmHg。呼吸数 24/分。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音 とに異常を認めない。腹部は平坦で、右下腹部に圧痛を認める。下腿に浮腫を認めない。

検査所見:血液所見:赤血球 368 万、Hb 11.9 g/dL、Ht 36 %、白血球 9,800、 血小板 23 万。血液生化学所見:尿素窒素 22 mg/dL、クレアチニン 0.9 mg/dL。 CRP 5.2 mg/dL。腹部超音波検査と腹部単純 CT とで虫垂の腫大を認める。


直ちに手術は必要ないと判断し、入院して抗菌薬による治療を開始することにした。

①抗菌薬投与の指示を出す際に、適切な溶解液が分からず薬剤部に問い合わせた。
②末梢静脈へのカテーテルの刺入を2回失敗し、3回目で成功した。
③抗菌薬投与前に、点滴ボトルに別の患者の名前が記してあることに気が付いた。
④正しい抗菌薬の投与を午前11時に開始したところ、30 分後に患者が全身の痒みを訴え全身に紅斑が出現した。
⑤抗菌薬を中止し様子をみたところ、午後2時までに紅斑は消退した。

インシデントレポートの作成が必要なのは下線のどれか。

a. ①

b. ②

c. ③

d. ④

e. ⑤

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その後の経過:腹痛は持続し、午後5時ごろから体温がさらに上昇し、悪寒を訴えた。体温39.3℃。脈拍124/分、整。血圧80mmHg (触診)。

この時点で直ちに行うべき治療はどれか。

a. β 遮断薬急速静注

b. 抗ヒスタミン薬静注

c. 生理食塩液急速輸液

d. ペンタゾシン静注

e. 副腎皮質ステロイド静注

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)