73歳の男性。ふらつきを主訴に来院した。

現病歴:3日前に重い荷物を持ち上げた時に腰痛が出現し、自宅近くの診療所でNSAIDの処方を受けた。早期の症状改善を期待して毎食後に服用していたが、昨日から心窩部痛を自覚し十分に食事や水分がとれなかったという。本日朝からふらつきが出現したため家族に連れられて受診した。

既往歴:高血圧症、糖尿病、脂質異常症および不眠症に対し、アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬、スルホニル尿素薬、スタチンおよびベンゾジアゼピン系睡眠薬を内服している。

生活歴:妻と2人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。

家族歴:両親が高血圧症であった。

現症:意識レベルはJCS I-1。脈拍48/分、不整。血圧86/50mmHg。呼吸数20/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜に異常を認めない。心音と呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。皮膚は乾燥している。

検査所見:血液所見:赤血球 405万、Hb 13.4 g/dL、Ht 36%、白血球 6,600、血小板 22万。血液生化学所見:総蛋白 7.3 g/dL、アルブミン 4.2 g/dL、総ビリルビン 0.7 mg/dL、AST 25 U/L、ALT 20 U/L、LD 225 U/L(基準 120~245)、ALP 100 U/L(基準 38~113)、尿素窒素 35 mg/dL、クレアチニン 2.4 mg/dL、尿酸 8.1 mg/dL、血糖 120 mg/dL、Na 138 mEq/L、K 7.6 mEq/L、Cl 108 mEq/L。CRP 0.1mg/dL。


直ちに行うべき検査はどれか。

a. 頭部CT

b. 尿中薬物検査

c. 12誘導心電図

d. 心エコー検査

e. 胸部エックス線検査

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直ちに投与すべき薬剤はどれか。

a. ドパミン

b. アトロピン

c. アドレナリン

d. 硫酸マグネシウム

e. グルコン酸カルシウム

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病態に関連する可能性のある薬剤はどれか。2つ選べ

a. NSAID

b. スタチン

c. スルホニル尿素薬

d. ベンゾジアゼピン系睡眠薬

e. アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)