問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)
45 歳の男性。夕方になるとまぶたが下がること、物が二重に見えること、水分を慌てて飲むと鼻に逆流することを主訴に来院した。 2 か月前から症状を自覚していたが、改善しないため受診した。既往歴に特記すべきことはない。
血液検査、頭部 MRI 及び胸部造影 CT を行った。頭部 MRI で異常は認めなかった。この患者の胸部造影 CTを別に示す。
この患者の血液検査で異常値を示すと考えられるのはどれか。
a. 可溶性 IL-2 受容体抗体
b. α-フェトプロテイン〈AFP〉
c. 抗アセチルコリン受容体抗体
d. ヒト絨毛性ゴナドトロピン〈hCG〉
e. アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉
重症筋無力症の症例。
抗アセチルコリン受容体抗体は筋無力症患者において検出され、筋肉の収縮を妨げることにより筋無力症の症状を引き起こす。
抗アセチルコリン受容体抗体の存在が筋肉の適切な収縮を阻害し、眼瞼下垂、複視、嚥下障害などの症状を引き起こす。