76歳の男性。左上下肢が動かなくなったため救急車で搬入された。

現病歴:朝起床時に体が何となく重かったので、朝食を摂らず約2時間ベッドで休んでいた。トイレに起き上がろうとしたところ、左手で体を支えられないことに気付いた。左足も動きが悪いため、同居する妻が救急車を要請した。

既往歴:60 歳から高血圧症で内服治療中。

生活歴:喫煙は 20 本/日を 55 年間。飲酒は機会飲酒。

家族歴:特記すべきことはない。

現症:意識は清明。身長 160 cm、体重 55 kg。体温 37.2 ℃。心拍数 80/分、整。血圧 184/104 mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98 %(リザーバー付マスク5L/分 酸素投与下)。左上下肢に弛緩性不全麻痺と感覚低下とを認める。構語障害を認める。

検査所見:血液所見:赤血球 491 万、Hb 15.2 g/dL、Ht 46 %、白血球 6,300、血小板 26 万。血液生化学所見:総蛋白 7.2 g/dL、AST 26 U/L、ALT 28 U/L、尿素窒素 11 mg/dL、クレアチニン 0.9 mg/dL、トリグリセリド 240 mg/dL、HDL コレステロール 46 mg/dL、LDL コレステロール 100 mg/dL。来院時の頭部 MRI の拡散強調像を別に示す。

その後の経過:患者は緊急入院し、薬物治療とともに入院3日目からリハビリテーションが開始された。


退院後の生活に向けて、回復経過を評価する上で最も有用なのはどれか。

a. しびれ感の強さ

b. 筋力

c. D ダイマー値

d. PT-INR

e. 頭部 CT

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その後の経過:薬物治療とリハビリテーションとで順調に回復した。急性期病院での治療目標を達成し、入院 13 日目に回復期リハビリテーション病棟へ転院した。

今後のリハビリテーション計画を立案する上で最も大切な情報はどれか。

a. 服用中の薬

b. 再発のリスク

c. 頭部 MRI の所見

d. 患者が望む生活像

e. 転院時の感覚障害

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問題解説・システム開発 : 内科医 米澤昌紘(れく)