68歳の女性。黄疸を主訴に来院した。2 週前から倦怠感を自覚し、1 週前に感冒症状があり市販の総合感冒薬を服用した。昨日、家族から眼の黄染を指摘されたため受診した。50歳台から2型糖尿病で内服治療中である。
意識は清明。体温 36.7 ℃。脈拍 76/分、整。血圧 136/80 mmHg。呼吸数12/分。眼瞼結膜に貧血を認めない。眼球結膜に黄染を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右季肋部に肝を1cm触知する。
血液所見:赤血球 413万、Hb 13.8 g/dL、Ht 41%、白血球 8,300、血小板 20万。血液生化学所見:総蛋白7.1 g/dL、アルブミン 3.8 g/dL、総ビリルビン 5.9 mg/dL、直接ビリルビン 4.7 mg/dL、AST 292 U/L、ALT 356 U/L、LD 577 U/L (基準 120〜245) 、ALP 693 U/L(基準 115~359)、γ-GT 352 U/L (基準 8〜50) 、アミラーゼ 95 U/L (基準 37~160) 、尿素窒素 34 mg/dL、クレアチニン 1.3 mg/dL、血糖 118 mg/dL、HbAlc 7.8%(基準 4.6〜6.2)、総コレステロール 226 mg/dL、トリグリセリド 160 mg/dL、Na 138 mEq/L、K 4.3 mEq/L、Cl 101 mEq/L。免疫血清学所見: CRP 1.9 mg/dL、HBs抗原陰性、HCV抗体陰性。
まず行うべきなのはどれか。
a. 腹部造影CT
b. Coombs試験
c. 腹部超音波検査
d. 腫瘍マーカー測定
e. 薬剤リンパ球刺激試験
まず行うは侵襲の少ない検査。
黄疸患者。直接ビリルビンが上昇しており、亜急性の経過であるので、どこかしらの胆管閉塞が疑われる。腹部超音波で大体の閉塞部位の特定はできると思います。